hunting狩猟とは(第二十一話)

降り立った怪鳥

狩猟活動での副産物となる捕獲獣の

残滓処理では 数年前行政指導により

土中に埋める様求められている

然るにこの厳守には 折々狩猟者が

置かれた状況現場事情により不可能と

成る事も多い まして奥山深く野獣を追い

極限状態に置かれた現場作業には

用具の携帯さえ出来ず 極寒地に置いて

凍土を掘り起こす事さえ難しく思えるし

遵守にはそも々無理な場面も多い

文中の川原とは違う場所です
この方針作成に関わられた有識者方々さえ 知ら無いかもの事実には 悪食で夜行性の

強い小動物の夜間徘徊行動で 土中から引き摺り出し漁って周囲へ散らす 当初の狙いに反し

逆に長らく其処に散乱してしまう事態とも成ってしまう 人が立ち入らない奥地等では更なる

人目を避けた位置を選び 供物を山神に捧げるように置いて来ると 殆どの場合一晩で跡形

さえ残さず持ち去られ消える 個別の種増加の懸念は残るもの 狸狐鼬に鴉それに猪と。。。

山の掃除屋とも呼べる彼らを介し 不用な部分は授かりし山に返す そんな考え方もひとつの

方法なのかもしれない


直下の谷で先刻一発鳴った 別ルートから待ち場に向かうベテランがカバーしてる方向だ

シーバーのイヤホーン越しには 牡鹿ひとつ倒したと伝えて来る 先刻此処から追い立てに

入った勢子は 既に大谷を渡り大きく右に振り山一つ向こうの守備ライン向け超えてしまった

其方の持ち場も含め 現場集結は難しく自分だけの応援に成ることを告げ持ち場を外した

この頂から200mばかり際どい痩せ尾根を行くと眼下に見下ろせる 広々とした茅場と花崗岩と

砂岩に占められた白い川原が広がる 見通しの利く谷に落ち対岸への渡り位置其処には目印の

背の低い松の若木が二本並んでいる 其の松向こう側に蠢く人陰を確認 既にあちらも此方を

視認してるようで軽く手を振り合図して来た 現場を見渡し事の全てを想像する このラウンド

終了の連絡は既に告げた事で向こうの面子は違うルートで下山を始めている筈だ  白い渓石を

噛む何処までも透明な流れに沈む鹿は既に粗処理が済んでいた 事の終始に耳を傾けながら

視線はこの鹿が辿っただろうルートをトレースしていた 幾らか上流へ遡り追い山側には切れ込んだ

枝谷が有り当時其の口元には小屋掛けが有って 長時間の山道辿りで泊り込んでの猟活動が

常だった この場所を基点とし戦後此処に入る誰もが手掛けた炭焼きに伐採為された台地は未だ

植生の再生は進んでおらずまるで放置された耕作地然と萱原と成り見通せるが 其処から直線で
100mばかりで大地は斜度を急に増す

山肌はすっかり成長した植生の中

頂向け立ち上がる 落葉の進み透けた

この時期は 駆け下り寄る鹿の接近も

早い段階で気付いたのだろう?

それ故に瞬間を迎えるまでの緊張は

長く焦れただろう事は云わずも窺い知れる

結構しんどい状況なのだが 流石幾度も

修羅場を経験してるベテラン 殊更大袈裟に

語るでもなく 手際よく黙々と解体作業を

続けていた

この場所に辿り付いた辺りから何か?

此方を伺う気配のようなものを感じて居た

辺りを見まわすも何ら気配の主は見当ら無い

サッと水面を走る陰? はっと頭上を見上げると

滑空する大柄な謎のシュルエット?猛禽類か?

暫く此方を中心にの旋回を見上げてると突然

飛翔体勢が変り 一気に足元の残滓向け

降り立ち委細構わず獰猛に漁り出したではないか?

なんなんだこいつは。。。

                 oozeki

正体はこいつ

オオミズナギドリとの事です